信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 血管拡張能を高める運動トレーニングの条件

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.26 Vol.26

 本研究は,1)運動時の血流量の増加を高める運動間隔を明らかにすること,2)動的足底屈運動トレーニングが血管拡張能に与える効果について検討すること,を目的として実験を行った.運動間隔は,運動後血流量が最高値に達する時間を基準とし,設定した.健康な成人に(実験1:6名,実験2:12名),仰臥位における動的足底屈運動を行わせ,その時の膝窩動脈血流量を測定した.実験1では,1回の運動後血流量が最高値に達する時間を基準とし,その10,30,50%の時間を2回連続運動の運動間隔に設定し,運動後血流量最高値を比較した.その結果,異なる運動間隔における血流量の相違はみられなかった.実験2では,週4回,3週間のトレーニング実験を行った.運動間隔時間を血流量が最高値に達する時間の20%の時間を用いた群(TA群)と最高値に達した時間を用いた群(TB群)に分け,血管拡張能に対する効果を検討した.その結果,両群とも運動中および運動後血流量最高値がトレーニング後で高くなる傾向を示し,その増加はTB群と比較してTA群で有意(p<0.05)に高くなった.以上の結果より,3週間の動的足底屈運動トレーニングでも血管拡張能を増大させ,その効果は血流量が最高値に達する前に次の運動を行うという運動間隔を用いた運動条件で顕著であることが示された.

「デサントスポーツ科学」第26巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 大森芙美子,清水靜代
大学・機関名 日本女子体育大学

キーワード

血流量運動間隔動的足底屈運動トレーニング血管拡張能