信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 筋の肥大・萎縮と熱ショックタンパク質およびカルシニューリンの関連

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.26 Vol.26

 [目的]筋のサイズや筋線維発現型と熱ショックタンパク質(heat shock protein, HSP)あるいはカルシニューリン(calcineurin, CaN)との関連については不明な点が多い.本研究は,ラット骨格筋が肥大または萎縮する際のHSP72, CaNの変化を分析し,両者の関連を検討した.[方法]Wistar系ラットを用い,1)下肢固定により萎縮したヒラメ筋,および2)共同筋切除により肥大した足底筋について,HSP72とCaNタンパク質発現量をWestern blotingにより分析した.[結果]筋の萎縮がみられたヒラメ筋ではHSP72, CaNともに発現量は減少した.逆に肥大した足底筋ではともに増加した.ミオシン重鎖成分は,萎縮ヒラメ筋では速筋型が増加し,肥大足底筋では遅筋型が増加した.[まとめ]筋サイズとHSP72, CaNの変化がパラレルであることから,両者がサイズの変化と関連する可能性が示唆されるが,更なる検討が必要と考えられる.一方,筋線維の発現型との関連についてはHSP72, CaNともに遅筋タイプの発現型に関与する可能性が示唆された.

「デサントスポーツ科学」第26巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 大石康晴
大学・機関名 熊本大学

キーワード

筋線熱ショックタンパク質骨格筋