信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF ローイング・トレーニングが中高年者の糖処理能力に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.26 Vol.26

 中高年者の糖代謝能向上を目的とした運動処方としてのローイング運動の有効性を検証することを目的として,本研究では,ローイング運動とウォーキング運動を実施している中高年者の血中糖代謝マーカーを比較検討した.ローイング運動(週2〜3回)およびウォーキング運動(週3〜5回)を日常的に実施している中高年者17名(年齢;60〜73歳)から早朝空腹時に採血を行い,血糖値,Hemoglobin A1c,血清インスリン濃度の分析を行い,さらにHOMA指数を算出した.血糖値,血清インスリン濃度,ヘモグロビンA1c濃度,およびHOMA指数は両群の間に有意な差が認められなかった.血漿インスリン濃度と体脂肪量およびHOMA指数の間に高い相関関係が認められた(p<0.01).以上の結果から,1)日常的なローイング運動は,ウォーキング運動と同程度に中高年者の糖代謝能を良好に維持できる運動形態であること,2)中高年者においては,体脂肪量の増加を抑制することが,糖代謝能を維持する上で重要であることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第26巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 寺田新*1,樋口満*1,田畑泉*2,岡純*3
大学・機関名 *1 早稲田大学,*2 国立健康・栄養研究所,*3 東京家政大学

キーワード

中高年者糖代謝能ローイング運動ウォーキング運動体脂肪量