信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 健常者の食後血中トリグリセリド上昇における定期的運動トレーニングの有効性

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.26 Vol.26

 運動トレーニングの食後高脂血症に対する有効性を検討するために,健常高齢男女28人(男性13人,女性15人)を対象に,3ヶ月間の有酸素運動トレーニングプログラムを実施し,その前後で経口脂肪負荷試験(OFTT)を実施した.その結果,運動トレーニング前後で,空腹時TG値は有意な変化が認められなかったにも関わらず,OFTT時の脂肪負荷後TG上昇幅は有意な抑制(トレーニング前96.6±63.0mg/dlに対してトレーニング後79.4±56.5mg/dl, p<0.05)を認めた.またこのOFTT結果の改善は,トレーニング前後の空腹時インスリン値の低下を伴っていたことより,インスリン感受性改善との関係が示唆された.本研究により運動トレーニングによる食後TG上昇の改善が,空腹時TG値の改善がみられない程度の比較的軽度のトレーニングでも認められ,もしくは空腹時高TG値の改善に先だって認められることが示され,食後高脂血症に対する運動トレーニングの有効性が示唆された.

「デサントスポーツ科学」第26巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 曽根博仁,山田信博
大学・機関名 筑波大学大学院

キーワード

運動トレーニング高齢有酸素運動経口脂肪負荷試験(OFTT)食後高脂血症