信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 活動後増強による筋力および筋パワー向上効果

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.27 Vol.27

 本研究では異なる強度での筋力発揮がその後観察される活動後増強に及ぼす影響,そして,その残存効果について明らかにすることを目的とした.スクワットトレーニングの経験者で,その1回最大挙上重量(1RM)が,体重の1.5倍を越える健康な男性8名(21±2歳)を対象とした.被検者は最初に1RMの計測を実施し,その2日以上後に,前負荷として80%1RMを用いて測定を行った.さらに,その1週間以上後に,40%1RMの前負荷での測定を実施した.なお,80%1RMの前負荷は,ハーフスクワット動作において2秒しゃがみこみ動作,2秒立ち上がり動作のテンポについていけなくなるまで実施させ,その前後に30%1RMでの反動を用いたジャンプ(LCMJ)を行わせ,ジャンプ高,LCMJの立ち上がり動作中の鉛直方向の床反力と身体重心速度から筋パワーを算出した.その結果,前負荷の強度が異なってもジャンプ高の増加率や残存効果に違いは認められなかった.しかし,筋力の指標である鉛直方向の床反力は,80%1RMの前負荷でのみ有意な効果が得られ,筋パワーについても,両前負荷によって有意に増加したものの,80%1RMの前負荷における残存効果が40%1RMよりも長く維持された.したがって,LCMJのジャンプ高からみた活動後増強の効果やその残存効果は,前負荷の強度に影響されないものの,筋力および筋パワーからみた効果には,前負荷の強度が影響を及ぼすことが推察された.

「デサントスポーツ科学」第27巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 島典広,前田明,西薗秀嗣
大学・機関名 鹿屋体育大学

キーワード

活動後増強スクワットトレーニング筋パワー筋力