信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF スペシャルオリンピックスに参加する知的発達障害者における骨密度の実態調査と低骨密度改善のための指導

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.27 Vol.27

 知的発達障害者は健常者に比べて骨密度が低い傾向にあることがこれまでの少ない研究により示されている.今回われわれは,骨粗鬆症予防を目的とし,スペシャルオリンピックスに参加した約80ヶ国の知的発達障害のある選手の骨量を測定し,低骨量者には栄養指導を行なった.対象はアジア人,白人・その他選手(10〜52歳の女性89名,9〜52歳の男性321名)で,右足踵骨骨量を超音波測定法により測定した.アジア人選手の年齢別の骨量は,女性で健常者よりやや高い傾向が観察されたものの,男女とも健常者と比べ顕著な差は認められなかった.白人・その他選手においては,男女とも10〜20歳代の骨量は健常者より高い傾向が観察された.白人・その他選手の骨量はアジア人選手より高い傾向が観察された.以上のことから,今回対象となった知的発達障害者の骨量は健常者より低くないことが推測され,低骨密度のリスクが高い知的発達障害者において運動を継続することは骨粗鬆症予防に重要である可能性が示唆された.

「デサントスポーツ科学」第27巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 青江智子,広田孝子,池田晴佳,川﨑泉
大学・機関名 辻学園中央研究室

キーワード

知的発達障害骨密度スペシャルオリンピックス骨量骨粗鬆症