信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 低強度筋力トレーニングが若年女子の内臓脂肪および身体組成に及ぼす影響について-有酸素運動との比較検討-

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.27 Vol.27

 若年女子(平均年齢20.8歳,n=24)を対象に自身の体重(自重)を負荷とした低強度の筋力トレーニングと歩行運動を実施し,身体組成および内臓脂肪に及ぼす影響について比較検討した.対象者を筋力トレーニング群(n=8),歩行群(n=8),コントロール群(n=8)の3群に分け,筋力トレーニング群は週6日,3種目(スクワット,腹筋,腕立て)を各15回×2セット実施し,歩行群は週4日,1日1万歩以上の歩行数を確保した.トレーニング前後に周囲径,DXA法による身体組成,超音波による腹部と上肢・下肢の筋厚・皮脂厚および内臓脂肪蓄積状態の指標となる肝臓前面腹膜前脂肪厚を測定した.6週間のトレーニング実施後,筋力トレーニング群の体脂肪量,ウエストおよびヒップ周囲径,肝臓前面腹膜前脂肪厚は,歩行群およびコントロール群に比して有意に(p<0.05)減少した.また,腹部,大腿部,上腕部においては有意な(p<0.05)筋厚の増加と皮下脂肪厚の減少を認めた.一方,歩行群の腹部および大腿部の皮下脂肪厚は,コントロール群に比して有意な(p<0.05)減少を示した.自重を利用した低強度で,かつ6週間という短期間の筋力トレーニングであっても身体組成や内臓脂肪の改善に有効であり,歩行運動とは異なる影響が認められた.

「デサントスポーツ科学」第27巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 梶岡多恵子*1,都竹茂樹*2,長崎大*1,佐藤祐造*1
大学・機関名 *1 愛知学院大学,*2 ハーバード大学公衆衛生大学院

キーワード

筋力トレーニング歩行運動身体組成内臓脂肪