足底面の皮膚感覚情報によるつまずき反応の特徴
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.27 Vol.27】
本研究は,健常成人(男性13名,女性1名)を対象として,足底面の異なる部位に対する低強度電気刺激(感覚閾値の2.0倍,5発刺激333Hz)によって誘発されるヒラメ筋(Sol),前脛骨筋(TA)の中潜時皮膚反射(~80-110ms,MLR)について検討したものである.電気刺激は被験者が等尺性筋収縮による足底屈運動もしくは足背屈運動を行っている間に足底前部内側面(f-M),前部外側面(f-L)および足踵面(HL)に与えた.SolはHL刺激時で促通効果を示したが,f-M刺激では抑制効果を示した.TAはSolの反射パターンとは相反的な変化を示した.皮膚反射の振幅と背景筋電図量の回帰直線の傾きは数例で座位時に比して立位時で有意に低下した.われわれの知見は,足底面から下肢筋群に対する皮膚反射効果が局所解剖学特異的に構成されていることを示唆する.これらの反射構成は立位姿勢保持の行動学的な要求に適合しているかもしれない.
「デサントスポーツ科学」第27巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
「デサントスポーツ科学」第27巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 中島剛*1,小宮山伴与志*2,遠藤隆志*3,坂本将基*1,田添歳樹*1 |
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大学・機関名 | *1 東京学芸大学大学院 ,*2 千葉大学,*3 順天堂大学 |
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