信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 加齢に伴う中心動脈伸展性低下を抑制するための身体活動ガイドラインの構築

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.27 Vol.27

 本研究は,中高年者の中心動脈伸展性維持・改善に有効な身体活動水準を明らかにすることを目的とし,横断研究と介入研究を行った.横断研究において,172名の中高年者(41〜82歳)を対象に,年齢,中心動脈伸展性,身体活動水準の関連性を検討したところ,3〜5METs相当の身体活動量は頸動脈Beta-stiffness indexと有意な負の相関関係にあり,この関係性は加齢および 6METs 以上の高強度身体活動量の影響を除外しても有意であった.介入研究では,中年女性17名を2群に分け,総エネルギー消費量が等しい高強度(7METs相当)と中強度(4METs 相当)の有酸素運動トレーニング(900kcal/週)を12週間実施した.どちらのトレーニングでも中心動脈伸展性は有意に低下し,低下の程度に差は認められなかった.すなわち,中強度の有酸素運動トレーニングは,高強度のトレーニングと同程度の中心動脈伸展性の改善効果を有することを示唆する.以上の結果,3〜5METs程度の身体活動は中高年者の中心動脈伸展性の維持・改善に有効であると考えられた.

「デサントスポーツ科学」第27巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 菅原順
大学・機関名 独立行政法人産業技術総合研究所

キーワード

中高年者動脈伸展性身体活動頸動脈Beta-stiffness index有酸素運動