信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 撥水加工によるスポーツウエアの吸水性低減が体温調節反応におよぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.27 Vol.27

 スポーツウエアには発汗に適切に対応できる機能性が要求され,吸水性や吸湿性などの水分移動特性が重要な役割を果たしている.本研究では,撥水加工されたスポーツウエアが着用者の体温調節反応におよぼす影響を明らかにすることを目的とした.被験者9名は,綿100%素材の長袖ポロシャツあるいは同品に撥水加工を施したもの,いずれかを着用した.その後,室温28℃,相対湿度50%の人工気候室内において,70分間の下肢温浴(水温35℃→41℃)を行った.その結果,撥水加工を施したウエアは,未加工品に比較して,衣服に残留する水分量が少ないことが明らかになった.また,撥水加工ウエア着用時には,胸部および前腕皮膚血流量の増加が抑制され,上腕皮膚温および平均皮膚温の上昇が抑えられることが確認された.直腸温や感覚応答には加工の有無による顕著な違いは見られなかった.撥水加工によるスポーツウエアの吸水性低減は,皮膚の湿潤を招き,皮膚血流量の増加抑制を引き起こすことが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第27巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 田中香利,平田耕造
大学・機関名 神戸女子大学

キーワード

撥水加工スポーツウェア(スポーツウエア スポーツ衣料)体温調節反応綿下肢温浴皮膚血流量