信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF wavelet表面筋電図周波数解析を用いた歩行時の質的筋活動分析

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.27 Vol.27

 本研究の目的は,表面筋電図を用いて,歩行時における下肢筋群の筋活動を積分筋電図解析(量的評価)とwavelet周波数解析(質的評価)から分析し,各筋群の特徴を見出すことである.対象は健常女性20例であった.被検筋は大殿筋,中殿筋,大腿筋膜張筋,外側広筋,前脛骨筋,そして内側腓腹筋とした.結果,まず歩行周期の初期接地から荷重応答期にかけて,大殿筋,中殿筋,大腿筋膜張筋,外側広筋,前脛骨筋が%IEMGのピークを示した.この時の各筋の%パワーの帯域間の特徴として,大腿筋膜張筋はHFB,中殿筋,前脛骨筋はLFB,大殿筋はMFBが優位であった.外側広筋に関しては,特に%パワーの帯域間の特徴は認めなかった.また大殿筋に関しては,MFB,HFBと比較して,LFBの%パワーのピークに時間的遅延が認められた.次に歩行周期の立脚終期にかけて,腓腹筋が%IEMGのピークを示した.この時の%パワーの特徴は,LFBが優位であった.以上のことから,歩行時における各筋の筋活動は総仕事量という量的側面(%IEMG)に加え,それぞれ固有の運動単位の調節機能という質的側面(%パワー)の違いを有しており,歩行時の質的筋活動評価の重要性が示された.

「デサントスポーツ科学」第27巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 加藤浩
大学・機関名 吉備国際大学

キーワード

表面筋電図歩行時下肢筋群筋活動