肥満小児のインスリン抵抗性獲得における内臓脂肪の影響
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.27 Vol.27】
原発性肥満小児66名(男児38名,女児28名,平均年齢10.9歳,平均肥満度52.9%)を対象に,腹部CT画像より求めた脂肪分布(内臓脂肪面積,皮下脂肪面積)と経口糖負荷試験より求めたインスリン抵抗性(インスリン曲線下面積)との関係を検討した.肥満男児では肥満女児よりも内臓脂肪蓄積が多く,既に11歳で性差が認められた.インスリン抵抗性は肥満女児において高く,思春期における生理的なインスリン抵抗性状態に加え,体脂肪増加の影響が考えられた.肥満度と年齢を調整した皮下脂肪面積とインスリン抵抗性との偏相関は肥満男児,女児ともに相関が認められないのに対し,内臓脂肪面積では肥満男児のみ正の相関関係が認められた.
以上の結果から,肥満小児におけるインスリン抵抗性の構築には性差が存在し,肥満男児では内臓脂肪が,また,肥満女児では体全体の脂肪やその他の因子がインスリン抵抗性に関与していると考えられた.
「デサントスポーツ科学」第27巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
以上の結果から,肥満小児におけるインスリン抵抗性の構築には性差が存在し,肥満男児では内臓脂肪が,また,肥満女児では体全体の脂肪やその他の因子がインスリン抵抗性に関与していると考えられた.
「デサントスポーツ科学」第27巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 冨樫健二*1,増田英成*2,住田安弘*1,勝木顕*1,神谷齊*3 |
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大学・機関名 | *1 三重大学,*2 ますだこどもクリニック,*3 国立病院機構三重病院 |
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