高齢者の運動能力改善を目的とした水中運動器具の開発
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.27 Vol.27】
高齢者に対する運動療法を安全に行うために,高齢者向け水中運動器具の開発を最終目標とする.既存の水中運動機器の効果を検討するために,28名の50歳以上の男女を対象に,水中歩行群を対照として無作為化臨床試験を実施した.身長・体重の他に,体脂肪率・握力・膝伸展力・歩行速度・片脚起立時間・ファンクショナルリーチ・タンデムゲイト・踵骨骨量を10週間隔で測定し変動を比較した.また,両群ともに運動期間中の循環動態を計測した.水中運動機器使用群で,筋力の増強が認められ,その現象は女性でより顕著であった.ファンクショナルリーチや踵骨骨量は両群で改善が認められ,バランスや歩行速度は両群ともに変化を認めなかった.水中歩行により,収縮期血圧は有意に低下したが,運動機器群では減少を認めたものの有意な変動ではなかった.総合的に判断して,現存する水中運動機器は高齢者の運動に適していると判断できるが,ダウンサイジングなどの改良が必要である.
「デサントスポーツ科学」第27巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
「デサントスポーツ科学」第27巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 小池達也*1,藤本繁夫*1,大槻伸吾*2 |
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大学・機関名 | *1 大阪市立大学大学院,*2 大阪産業大学 |
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