信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 高齢者における杖歩行時の歩数計測法の開発

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.28 Vol.28

 本研究は,高齢者の杖歩行時における歩数計測法を新たに開発することを目的とした.被験者は,通所型リハビリテーション施設に通う高齢患者49名(80.9±7.7才)で,18名が杖歩行(下肢機能障害9名),31名が杖なし歩行(下肢機能障害15名)であった.被験者は加速度計および歩数計を腰背部に装着し,直線約10mを各個人に適した速度で往復した.理学療法士が目視で測定した歩数(RM),歩数計により検出された歩数(PM),および本研究にて開発した手法を用いて検出された歩数(FM)とを比較した結果,PMはRMより有意に(p<0.05)低く,RMとの誤差は53.2±34.1%であった.一方,FMとRMとの間に差は認められなかった.FMとRMとの誤差は-0.7±7.9%であり,杖や下肢機能障害の有無による影響を受けなかった.以上のことから,本研究で提案した歩数計測法は,杖歩行のみならず,下肢機能障害などのため従来の歩数計で計測が困難であった高齢者の歩数をも精度良く計測することが可能であるものと考えられた.

「デサントスポーツ科学」第28巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 関根紀子*1,関根正樹*2,田村俊世*2,内藤久士*1,形本静夫*1
大学・機関名 *1 順天堂大学,*2 千葉大学

キーワード

高齢者杖歩行時リハビリテーション歩数計