信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 団塊世代高齢者を視野に入れた身体・心理的特性に整合した運動手法,評価方法および日常生活活性に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.28 Vol.28

 高齢者の転倒が社会的問題であり,早急な転倒予防手法の開発が望まれる.転倒予防には下肢筋力の向上が有効とされるが,下肢筋力を定量的かつ簡便に計測・評価する手法は明らかではなく,また健常高齢者や団塊世代を含めた下肢筋力の加齢変化も解析されていない.本研究では,下肢筋力を定量的に計測・評価するための足指力計測器を開発し,虚弱高齢者を含む3〜95歳まで310名を対象に下肢筋力を調べた.その結果,男性は44〜64歳の中年層から,女性は65歳から足指力が低下することが明らかになり,足指力が男性で4kgf,女性で3kgfを下回ると転倒リスクが高まることが示唆された.また,対象者の心理的・身体的特性に整合した運動プログラムとして,足部のセルフケア,および身体機能状況に基づいた個別運動プログラムを開発し,その効果について5ヶ月間のフィールド実験を行い,運動を実施した対象者の足指力が向上することを明らかにした.

「デサントスポーツ科学」第28巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 山下和彦*1,井野秀一*2,伊福部達*2,川澄正史*3
大学・機関名 *1 東京医療保健大学,*2 東京大学,*3 東京電機大学

キーワード

高齢者転倒下肢筋力足指力計測