信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 転倒予防のための高齢者の歩行動作評価

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.28 Vol.28

 高齢者の転倒の多くは移動時に発生し,その転倒要因も報告されているが,転倒誘発条件下の歩行動作分析は十分ではない.本研究はプレートセンサーを利用して転倒誘発条件下の歩行動作分析を行うことを目的とした.実験1において,視覚障害のない若年者30名が1.5m間隔に設置された3つの障害物(幅0.1m,高さ0.05m,0.1m,0.2m)を視覚情報制限のあり/なしで歩行した.視覚情報制限条件において,被験者の視力はゴーグル装着によって一律に0.01まで低下させた.視視覚情報制限下では,片脚支持局面が延長した.これは障害物高の正確な認知が難しいかったことによるものかもしれない.視覚機能の低下はわずかな段差でも躓く可能性を高める.実験2において,自立歩行が可能な高齢女性13名が参加した.彼女らは5mの通常歩行とライン上歩行(バランスビーム歩行)を行った.両歩行条件間の歩容変数に有意差は認められなかった.機能的バランススケール,転倒リスクスケールとバランスビーム歩行の歩容変数の関係は,通常歩行のそれらに比べ高い傾向にあった.バランスビーム歩行において,歩隔の個人差は歩行動作能力を反映するかもしれない.

「デサントスポーツ科学」第28巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 出村慎一*1,山次俊介*2,佐藤進*3,山田孝禎*4
大学・機関名 *1 金沢大学,*2 福井大学,*3 金沢工業大学,*4 福井工業高等専門学校

キーワード

高齢者転倒移動時プレートセンサー歩行動作分析