信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動による筋損傷に対する分岐鎖アミノ酸の投与効果

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.28 Vol.28

 分岐鎖アミノ酸(BCAA)は,タンパク質の主要構成成分であると同時に,タンパク質合成を促進するアミノ酸である.本研究では,運動により生じる筋損傷に対するBCAA投与の効果をヒトおよびラットで検討することを目的とした.ヒトにおける研究では,スクワット運動により誘発される遅発性筋肉痛は運動前の5gのBCAA投与により有意に低下することが認められているので,本研究では運動直後に0.1g/kg体重(約5g)のBCAAを投与することによるその影響を検討した.その結果,運動後のBCAA投与は遅発性筋肉痛を抑制する傾向はあったが,運動前投与に比べてその効果は小さかった.したがって,BCAA投与効果を得るためには運動前の投与が有効であると結論された.ラットにおける研究では,頸静脈にカテーテルを固定し,連続的に採血できるラットを用いた.そのラット後肢の下肢骨格筋を電気刺激により強縮させることにより,筋損傷を誘発する動物モデルの調製を試みた.筋損傷は,血清クレアチンキナーゼ活性の測定により検出された.今後筋収縮の条件をさらに検討し,筋損傷モデルを完成させる予定である.

「デサントスポーツ科学」第28巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 下村吉治,Gustavo Bajotto
大学・機関名 名古屋工業大学

キーワード

分岐鎖アミノ酸タンパク質合成運動筋損傷遅発性筋肉痛