信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 干渉波電流刺激による身体動揺低減効果の検討

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.29 Vol.29

 これまで姿勢制御に関する研究において電気刺激は主に前庭感覚への外乱として用いられてきた.本研究では,電気刺激が姿勢維持の支援として利用可能かどうかを検討するために,感覚閾値下の刺激強度での干渉波電流(IFC)刺激を膝関節に経皮的に印加し得る電気刺激装置を開発し,IFC刺激による足圧中心点(COP)動揺の低減効果を若年健常者で調べた.30秒間の片脚立位を開眼で行い,その際,IFC刺激なし,40%感覚閾値,60%感覚閾値および80%感覚閾値強度のIFC刺激の4条件におけるCOPの軌跡を計測した.その結果,80%感覚閾値強度でのIFC刺激時のCOP動揺において左右方向の動揺が有意に低減し,さらにはCOP動揺面積も有意に減少した.一方で,前後方向のCOP動揺や単位時間当たりの移動距離に関しては,IFC刺激有り無しにおいて違いは観察されなかった.試作したIFC刺激装置による感覚閾値下のIFC刺激が若年健常者の片脚立位時における横方向のCOP動揺を低減し,動揺面積を小さくさせる効果があることが確認された.

「デサントスポーツ科学」第29巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 野村国彦
大学・機関名 大阪電気通信大学

キーワード

姿勢制御干渉波電流(IFC)足圧中心点片脚立位