信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 光触媒をコーティングした衣服が運動による発汗後の臭気に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.29 Vol.29

 本研究は,アパタイト被覆酸化チタン光触媒コーティングが運動による発汗後のウェア臭気に及ぼす影響について検討した.被検者は,健康な成人男性8名とし,アパタイト被覆酸化チタン光触媒をコーティング加工したウェアを着用する条件(光触媒ウェア条件)とコーティング加工しないウェアを着用する条件(通常ウェア条件)で,温熱運動負荷実験を実施した.各条件における実験手順は,被検者に高温多湿環境条件下(室温30℃,相対湿度70%)で60%HRmaxの強度のトレッドミル走を20分間行わせ,その後30分間座位安静を保たせた.ウェアの臭気は,温熱運動負荷前後ににおい識別装置を用いて測定し,臭気指数および臭気寄与の変化を条件間で比較した.臭気全体の強度を示す臭気指数は,通常ウェア条件では温熱運動負荷後に増加したが,光触媒ウェア条件では変化しなかった.特に硫化水素および有機酸系の臭気寄与の増加が光触媒コーティングによって抑制された.以上の結果より,アパタイト被覆酸化チタン光触媒コーティングは運動による発汗後のウェア臭気を抑制することが明らかになった.

「デサントスポーツ科学」第29巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 山根基,種田行男,野浪亨,王軍虎
大学・機関名 中京大学

キーワード

光触媒ウェア臭気におい識別臭気指数