信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 脂肪細胞分化過程およびアディポサイトカイン分泌に及ぼす運動頻度・持続期間の影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.29 Vol.29

 本研究では,運動の頻度,持続期間の違いがアディポサイトカインの分泌に与える影響について考察するために,過食性肥満モデルOLETFラットを対象に,同一体重までの運動療法をその頻度と持続期間を調節することによって実施し,脂肪細胞の分化過程およびアディポサイトカイン分泌について検討を行った.
 17週齢から2週間の自発走運動を実施した群(EX-2w)と,15週齢から4週間に渡って2日に1回程度の自発走運動を行った群(EX-4w)では,EX-2w群よりもEX-4w群で脂肪細胞サイズが小型化する傾向が観察され,それに伴って血中のアディポネクチン濃度はEX-2w群よりEX-4w群で有意な高値が観察された.
 以上の結果から,運動療法では短い期間で急速に体重を減少させる運動プログラムよりも,目標体重までの介入期間をより長く設定し,ゆっくりと長期間に渡って運動を継続するプログラムにおいて,脂肪細胞サイズが小型化し,血中のアディポネクチン濃度を高値に維持できる可能性が示唆された.

「デサントスポーツ科学」第29巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 木村真規*1,篠崎智一*1,細山田真*1,山内秀樹*2,鈴木政登*2
大学・機関名 *1 共立薬科大学,*2 東京慈恵会医科大学

キーワード

アディポサイトカイン過食性肥満運動療法体重を減少