信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 女性の性周期が筋機能,腱組織の力学的および代謝的特性に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.29 Vol.29

 本研究の目的は,性周期に伴う膝伸筋群および足底屈筋群における筋・腱の力学的および代謝的特性の変動を検証することである.8名の成人女性を対象に,月経期,排卵期,黄体期の3期において,等尺性最大筋力,筋厚,筋活動水準(電気刺激法),腱ステイッフネス(超音波法),筋および腱の血液量と酸素飽和度(近赤外分光法)を測定した.血清中の性ホルモンより,排卵期では黄体化ホルモン,エストラジオールが高値を示し,黄体期ではプロゲストロンが高い値を示し,妥当な時期に測定が行われたことが推察された.膝伸展筋群および足底屈筋群ともに,最大筋力,筋厚,筋活動水準,血液量および酸素飽和度が性周期に伴い変動を示さなかった.同様に,両部位における腱の最大伸張量,ステイッフネス,血液量および酸素飽和度も3つの期でほぼ同様の値を示した.以上の結果より,膝伸展筋群および足底屈筋群ともに,性周期に伴う最大筋力,筋活動水準,筋および腱の力学的特性および代謝的特性が変動しないことが明らかになった.

「デサントスポーツ科学」第29巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 久保啓太郎*1,宮本麻奈*2,池袋敏博*2,角田直也*2
大学・機関名 *1 東京大学大学院,*2 国士舘大学

キーワード

性周期代謝的特性等尺性最大筋力腱ステイッフネス酸素飽和度