動的運動と高次脳機能の向上:最適運動タイプ・運動強度を探る
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.29 Vol.29】
継続的な日常運動習慣と認知脳機能の向上との関連性は示唆されているが,どのような動的運動が認知脳機能をどの程度向上させるかという定量的かつ科学的な評価は残されていた.本研究はエルゴメーター運動前後にストループ課題を実施し,課題に要する所要時間や誤答数を比較することで動的運動と認知機能との因果関係を初めて定量的に分析した.健常女性10名を対象として無運動負荷,もしくは最大運動能力の20%,40%そして60%負荷強度で15分間エルゴメーター運動を行わせた.運動前後でストループテストを実施した時,その所要時間は40%と60%運動後に有意に短縮したが無運動負荷と20%運動では変化しなかった.40%運動後に実施したストループ課題において,大脳前頭葉Oxy-Hb値は運動前対照値よりも大きく上昇した.以上の結果は,最大運動能力の40〜60%程度という中強度の動的運動により認知脳機能が向上することを示唆する.その際に前頭葉の活性化が関連するかもしれない.
「デサントスポーツ科学」第29巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
「デサントスポーツ科学」第29巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 松川寛二,土持裕胤,中本智子,加島絵理,遠藤加菜 |
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大学・機関名 | 広島大学大学院 |
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