信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF ブラジャーのバックパネルの設計条件が動作適合性および快適性に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.29 Vol.29

 ブラジャーの動作時のズレ量の動態に注目し,ブラジャーの設計条件の違いによる,ズレ量,およびズレの動態を三次元動作解析装置により評価した.ブラジャーの設計要因の厳密な比較ができるよう,基本的な形・サイズが同じで,バックパネルの形状2種(弓形,直線),バックパネルの素材3種(ツーウェイ,パワーネット,サテンネット),下辺テープの素材2種(ハードタイプ(市販),ソフトタイプ(マイクロテープ)),下辺テープの幅2種(幅広,幅狭)の計,24種のブラジャーを試作した.さらに,身体への負担を衣服圧により評価し,静止状態でのシルエットの満足度を主観評価し,動作時のズレ感,快適感についても主観評価した.以上から着用者に負荷がかからない,運動時のズレ防止に効果があり快適なブラジャーの設計条件を検討した.三次元動作解析装置によるズレの動態評価により,側挙動作時のズレ積算量/時間に影響するブラジャーの設計要因としてバックパネル素材が有意に影響し,パワーネット,サテンネットがツーウェイよりもズレ積算量/時間が小さいことが明らかになった.以上のように本研究で提案する三次元動作解析装置を用いた動作解析法により動作中のズレの動態およびその積算量を定量評価できることが明らかになった.また,動作時の衣服圧計測によりバックパネルの素材および下辺テープの種類が有意に衣服圧に影響することが明らかになった.ズレ感,快適感の主観申告感の回帰分析から動作時にはズレの生じにくい拘束性の高いブラジャーが快適と感じられることが分かった.

「デサントスポーツ科学」第29巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 薩本弥生*1,斉藤秀子*2,田村照子*3
大学・機関名 *1 横浜国立大学,*2 山梨県立大学,*3 文化女子大学

キーワード

ブラジャーズレ三次元動作解析設計要因バックパネル衣服圧快適感