信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 持久運動による若年期からの肥満予防一糖化・酸化ストレスと最終糖化産物(AGE)との関連

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.29 Vol.29

 46名の若年肥満学生(21±3.0歳,体重:83.2±18.1kg,BMI:28.9±5.4kg/m²,体脂肪量:23.5±10.4kg)に対して,Advanced glycation end-products(AGEs)成分(3-デオキシグルコソン(3-DG),ペントシジン,カルボキシメチルリジン(CML))と,体組成や糖脂質代謝,アディポサイトカイン(アディポネクチン,レプチン),活性酸素との関連を検討した.さらに,運動・栄養指導6ヶ月後の体組成の変化やAGEs成分を含めた動脈硬化への影響について検討した.血清CML濃度はインスリン感受性の指数や活性酸素量と正の相関を示した.指導の6ヶ月後には,体重,BMI,体脂肪,空腹時血糖,活性酸素量に有意な減少が認められる一方,血清CML濃度に関しては全体に減少傾向が認められた.また,血清CML濃度の減少量と体脂肪率の減少程度との間に有意な相関を認めた(p=0.007).以上より,若年肥満者では,AGEs成分がインスリン抵抗性や活性酸素量に応じて形成・蓄積される一方,減量やインスリン抵抗性の改善に伴いその蓄積も軽減されることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第29巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 吉川貴仁,藤本繁夫,塩野祐也,中雄勇人
大学・機関名 大阪市立大学

キーワード

肥満Advanced glycation end-products(AGEs)活性酸素運動栄養指導インスリン感受性