信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 高齢者想定具を用いたエクササイズウェアの着衣行動分析

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.29 Vol.29

 最近,高齢者が健康および精神衛生の自律的な維持を図るために取り組む運動時に着用するエクササイズウェアが求められている.
 本研究では,高齢者の身体機能(特に着衣行動に関連する肩関節や肘関節の可動閾)を簡易に再現するための高齢者想定具を試作した.そして,20代の健康な男子大学生10名を被験者として,高齢者想定具を装着した高齢者想定条件と装着しない若年条件で,形状の異なる4種類のエクササイズウェアの「着心地」を官能検査により評価した.また,エクササイズウェアを着衣しているときの行動を3次元画像計測した.その結果,(1)試作した高齢者想定具は70〜80歳代の高齢者の身体機能(特に上肢の関節角度)を簡易に再現できること,(2)高齢想定者ではエクササイズウェアを着衣する際,袖の有無が心理的負担の重大な要因になること,(3)各エクササイズウェアの着衣時間を比較した結果,高齢想定者の所要時間の増加率は長袖ジッパー型で5.8%,長袖被り型で28%であったこと,(4)長袖ジッパー型と被り型では,被り型の方が着衣行動における筋負担が大きいことが分かった.

「デサントスポーツ科学」第29巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 松本陽一,金井博幸
大学・機関名 信州大学

キーワード

高齢者エクササイズウェア身体機能高齢者想定具3次元画像計測