有酸素運動後の摂食抑制に関する消化管ホルモンの動態と食事のタイミングとの関係

　本研究では，有酸素運動後の摂食抑制に関する消化管ホルモンの動態と食事のタイミングとの関係について明らかにすることを目的とした．健常男性7名を対象に，朝食後，50%VO₂maxの運動強度で，60分間の自転車運動を実施した．昼食の食事テストは，運動終了30分後（30分試行），運動終了60分後（60分試行），運動終了120分後（120分試行）に行い，食事摂取量を算出した．血液検査項目は，Peptide YY（PYY）とGlucagon-like peptide-1（GLP-1）とした．その結果，PYYおよびGLP-1は，運動刺激によって増加し，GLP-1の増加は運動終了60分後まで持続した．運動後の食事摂取量は，運動終了30分後および60分後に摂取する時と比べて，運動終了120分後に摂取したときの方が有意に増加した．以上のことから，有酸素運動後，60分以内は摂食を抑制するGLP-1の増加が持続し，食事摂取量が運動終了120分後よりも少量ですむことが示唆された．

「デサントスポーツ科学」第31巻/公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団

研究者名	上田真也，吉川貴仁，桂良寛，臼井達矢，藤本繁夫
大学・機関名	大阪市立大学大学院

キーワード

有酸素運動、消化管ホルモン、VO₂max、自転車運動、血液検査

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