信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 減量方法の差異から評価したウェイトサイクリング経験者の身体特性と身体活動量増進の効果

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.31 Vol.31

 体重減少と増加をくり返すweight cycling(WC)経験者を対象に,減量をエネルギー制限のみで行うWCと,減量期に運動を伴うWCの影響について検討し(研究1),さらに,運動習慣を持たないWC経験者に対する3ヶ月間の運動実践の効果についても検討した(研究2).本研究では,過去1年間に1回あたり体重の5%以上の増加および減少を交互に4回以上経験したことがある者を「WC歴有り」とした.研究1の対象は,摂取エネルギー制限のみで減量を行った群(WC-ER群:n=8),運動を実践しながら減量を行った群(WC-Ex群:n=8),WC非経験者(Control群:n=8)である.血液検査では各群間に有意な差は認められなかったが,安静時代謝量(ml/kg/min)はWC-ER群が他の2群よりも有意(p<0.05)に低く,さらに除脂肪量(LBM)あたりでみた安静時代謝量(ml/LBM/min)もWC-ER群において有意(p<0.05)に低いことが認められた.研究2(n=5)では,運動実践による体組成の改善はみられなかったが,安静時代謝量の有意(p<0.05)な増加が認められた.以上より,運動を伴うWCについては負の影響は認められなかったが,摂取エネルギー制限を伴うWCは安静時代謝量を低下させ,その低下は運動習慣の獲得により改善されることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第31巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 原丈貴
大学・機関名 島根大学

キーワード

weight cycling(WC)摂取エネルギー制限運動安静時代謝量