ロボットハンドによる運動教示が指運動の巧緻性にもたらす効果
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.31 Vol.31】
本研究では,複雑な系列の指タッピング運動をロボットハンドによって受動的に繰り返すことで,タッピングのパフォーマンスに効果をもたらすか調べることを目的とした.被験者は健常成人で,訓練セッション中に受動タッピングを行う受動訓練群と指を動かさないコントロール群に5名ずつ振り分けた.1回の訓練セッションで,受動訓練群には,2Hzで小指―示指―環指―小指―中指の系列からなる20秒間の受動タッピングが10セット行われた.訓練セッションは計6回実施した.訓練セッションの前後には,受動訓練と同じ系列ともう1つ別の系列にて,20秒間の最速タッピングを測定した.1,2回目の訓練セッションで,受動訓練群による受動訓練の系列での平均タッピング数は,セッション前に比べてセッション後に有意に増加した.しかし,セッション後のタッピングパフォーマンスは,次のセッション開始前にはわずかに低下していた.今回の実験条件では,ロボットハンドによる受動タッピングが訓練セッションの初期にパフォーマンスを高めるが,短期的な効果であることが示唆された.
「デサントスポーツ科学」第31巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
「デサントスポーツ科学」第31巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 上林清孝,長谷川泰久,河本浩明,衣川慶 |
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大学・機関名 | 筑波大学大学院 |
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