信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 伸張性収縮での筋力トレーニングが前十字靭帯損傷患者の運動単位動員の抑制に及ぼす効果

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.31 Vol.31

 高閾値運動単位の動員が慢性的に阻害されているACL患者での活動部位(%-activated CSA)を健常者のものと比較,評価することにより,難しいとされているACL損傷後の大腿四頭筋の筋力回復により適した収縮形態を客観的数値により同定することが本研究の目的となる.本研究では,膝に損傷歴を持たない6名と前十字靱帯を損傷して手術を行っていない6名を被験者として用いた.さらに,本研究では患者の健側と患側を健側群と患側群のそれぞれに振り分け,それに健常者群を加えて3群で比較を行った.本研究に参加した被験者は,ニーエクステンションマシンを用い,2種類の筋力発揮課題(短縮性収縮課題及び伸張性収縮課題)を行い,それぞれの筋力発揮課題前後のMR画像から得られたT2値から大腿四頭筋の%-activated CSAを算出した.そして,それぞれの筋力発揮課題時の%-activated CSAを算出し3群間で比較を行った.その結果,いずれの収縮形態においても群間に統計学的な有意差は認められなかった.
 今回の結果は,仮説とは異なるものであった.今後は被験者数の追加や筋毎の解析,体積を用いた解析などを行い,さらに詳細な分析を行っていく必要があるであろう.

「デサントスポーツ科学」第31巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 小西優*1,衣笠竜太*2,小田俊明*3
大学・機関名 *1 防衛大学校,*2 早稲田大学,*3 兵庫教育大学

キーワード

ACL活動部位大腿四頭筋