信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 規則的な身体運動が骨格筋オートファジー機構に及ぼす影響とその加齢変化

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.31 Vol.31

 マクロオートファジーは,細胞内小器官およびタンパク質の分解を行うオートファジーの主経路である.本研究では,長期的な運動トレーニングがオートファジーに及ぼす影響を,成熟および老齢動物の骨格筋を対象に検討した.成熟(18月齢)および老齢(28ヶ月齢)の雄性Fischer 344ラットが運動群と対照群にそれぞれ群分けされた(各群n=6×4群).運動群の動物には,8週間同一の相対的運動強度で持久的なトレーニングを行わせた.トレーニング期間終了後,ヒラメ筋と足底筋を摘出し,オートファジー関連タンパク質を分析した.足底筋において,Beclin 1,microtubule-associated protein light chain 3(LC3)-IおよびLC3-IIは加齢により増加した.また,加齢はAtg7を低下させたが,運動トレーニングはその低下を抑制した.他方,ヒラメ筋においては,加齢がLC3-Iの増加させたこと以外の変化は観察されなかった.これらの結果は,マクロオートファジーを制御するタンパク質発現が運動と加齢により改変されることを示唆する.また,これらの改変は,タンパク質の種類,あるいは骨格筋の種類により異なる可能性がある.

「デサントスポーツ科学」第31巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 小倉裕司*1,内藤久士*2,柿木亮*2,杉山仁*1,明間立雄*1
大学・機関名 *1 聖マリアンナ医科大学,*2 順天堂大学

キーワード

マクロオートファジーオートファジー骨格筋運動群対照群