ヒト骨格筋硬度の客観的評価法の確立
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.32 Vol.32】
本研究の目的は,超音波による組織弾性イメージング技術(RTE)を用いて筋硬度を評価する手法の信頼性,再現性,有用性について検討することであった.超音波プローブと体表面との間に硬度較正用ゲルを挟み,これとの相対的な硬さ(押圧に対する変形率比)として筋硬度を定量化した.ファントムゲル硬度とヒト外側広筋硬度の繰り返し測定から,本手法は組織硬度を適切に定量化できること(測定誤差10%前後)を確認した.体表押圧型硬度計での筋硬度測定において確認された皮下脂肪由来の系統的誤差は,本手法で測定した筋硬度には確認されなかった.レジスタンス運動後の筋硬度の測定では,体表押圧型硬度計は運動直後に筋が硬化したことを示したが,RTEによる測定では運動直後の筋硬度変化を認めず,その後2日ほどかけて次第に軟化したことを示した.RTEによる測定が捉える筋の組織的変化が何であるかは今後検討していく必要はあるが,本手法は筋硬度を評価する有用な手法となり得るだろう.
「デサントスポーツ科学」第32巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
「デサントスポーツ科学」第32巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 松林武生,土肥美智子 |
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大学・機関名 | 国立スポーツ科学センター |
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