信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF ダイビングによる顎関節症の予防と安全対策-テーラーメイドマウスピースの開発とその実用化-

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.32 Vol.32

 本分野では,われわれはダイビングによる歯科領域の潜水障害(顎関節症)を予防することを目的に,正しい下顎位を保持し,顎関節の変位を起こさず,顎筋や顎関節に無理な負担をかけない,ダイビング用テーラーメイドマウスピースの開発を手がけ,すでに加圧水中環境下での物性および耐久試験を実施し,十分な基本性能を有していることを確認した.そこで,今回,顎関節症を有するダイビング部所属の大学生6名(平均22.8歳)を対象に,実用環境下での臨床試験を行い,10段階評価法による分析を加えて,このテーラーメイドマウスピースの有用性を検討した.その結果,テーラーメイドマウスピース使用時の顎関節疼痛および顎筋疲労感は,既製マウスピース使用時に比べて,有意に減少した.またフィット感と咬合安定感も有意に良好であった.以上より,テーラーメイドマウスピースにはダイビングに関連した顎関節症を軽減・予防する効果があることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第32巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 上野俊明,藤野祥子,安部圭祐
大学・機関名 東京医科歯科大学大学院

キーワード

ダイビング顎関節症マウスピース