信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 高齢者の日常身体活動とメタボリックシンドロームの罹患率との関係-加速度計を用いた10年間の縦断研究-

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.33 Vol.33

 要旨

 加齢に伴う身体活動の減少は,メタボリックシンドロームを代表とした生活習慣病の発症に影響を及ぼす最も重要な因子の一つである.本研究は高齢者における日常身体活動の量と質とメタボリックシンドロームの関係を縦断的に検証した.
 65〜84歳の高齢者440名を対象に1軸加速度センサー内蔵の身体活動計を用いて歩数と活動強度を毎日24時間連続して10年にわたり測定し,ベースラインの日常身体活動と10年間のメタボリックシンドロームの発症リスクとの独立した関係を評価した.多変量調整Cox比例ハザードモデルで推定したところ,より不活発な2群(歩数<6,400歩/日と中強度活動時間<12分/日)はより活発な群(歩数>8,500歩/日と中強度活動時間>20分/日)と比べてメタボリックシンドローム発症リスクがそれぞれ2.3〜4.2倍と1.9〜3.0倍大きかった.メタボリックシンドロームの予防のためには,高齢者は少なくとも歩数で8,000〜10,000歩/日かつ/または中強度活動時間で20〜30分/日の身体活動を行うことが奨励された.

「デサントスポーツ科学」第33巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 朴晟鎭,青栁幸利
大学・機関名 東京都健康長寿医療センター研究所

キーワード

身体活動メタボリックシンドローム多変量調整Cox比例ハザードモデル