信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF スポーツウェアーの材質・機能の違いが非定常負荷運動時の生理応答に与える影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.33 Vol.33

 要旨

 本研究は,段階的着圧機能を有するスポーツウェアーの着用が非定常負荷運動中の生理指標に及ぼす影響を明らかにした.健康な成人男性18名を対象に自転車運動を実施した.運動は,定常負荷運動(最大酸素摂取量の20%,60%,40%)と非定常負荷運動(最大酸素摂取量の20-60%強度における漸増漸減負荷運動)とした.測定条件は,段階的着圧ウェアーを着用する条件と着用しない条件とした.測定項目は,心拍数,血圧,酸素摂取量とした.漸増漸減負荷運動の心拍数,酸素摂取量の最高値,最低値,位相の遅れ時間,振幅割合を算出した.その結果,段階的着圧ウェアーの着用が安静時と運動後回復期の生理指標に及ぼす影響は小さいが,定常負荷運動(60%),漸増負荷局面の心拍数を有意に減少させ,位相の遅れ時間を有意に短縮させることがわかった.この応答は,低強度運動においては観察されなかった.以上の結果より,段階的着圧機能を有するスポーツウェアーの着用は,中等度の自転車運動において相対的な運動強度減少の利点として作用するものと考える.

「デサントスポーツ科学」第33巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団

「デサントスポーツ科学」第33巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 西村一樹*1,吉岡哲*2,小野寺昇*3,高本登*1
大学・機関名 *1 広島工業大学,*2 香川大学,*3 川崎医療福祉大学

キーワード

段階的着圧ウェアー非定常負荷運動生理指標