高速水着のアシスティッド練習用具としての可能性
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.33 Vol.33】
要旨
高速水着(HS)を着用したトレーニングやウォーミングアップ(W-up)がその後の泳動作や泳パフォーマンスへ及ぼす影響を検討した.十分にトレーニングを積んだ大学生競泳選手を被験者とし,回流水槽にて最大下の泳速度を用いた10分間泳中の泳動作解析と,50mプールにてスーツ条件をかえてW-upを行った後に100m泳のパフォーマンス測定を行った.HSを着用して行った10分間泳中の姿勢は,その前に一般的な練習用水着(SS)を着用して行った10分間泳中の姿勢と比較し,大転子および膝関節の鉛直方向変位が高い位置にあった.15分程度の完全休息を挿み再度SSに着替えて行った10分間泳中の姿勢は,最初のSS時の姿勢よりも直前のHS時の姿勢に近い傾向がみられた.HSを着用して行ったW-upの100m泳のパフォーマンスへの影響はみられなかったが,前半のタイムが短縮する傾向がみられた.これらの結果よりHS着用の姿勢保持に対する持続効果が確認さたとともに,100m泳よりも短い距離に対するHS着用W-upの効果が示唆された.
「デサントスポーツ科学」第33巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
高速水着(HS)を着用したトレーニングやウォーミングアップ(W-up)がその後の泳動作や泳パフォーマンスへ及ぼす影響を検討した.十分にトレーニングを積んだ大学生競泳選手を被験者とし,回流水槽にて最大下の泳速度を用いた10分間泳中の泳動作解析と,50mプールにてスーツ条件をかえてW-upを行った後に100m泳のパフォーマンス測定を行った.HSを着用して行った10分間泳中の姿勢は,その前に一般的な練習用水着(SS)を着用して行った10分間泳中の姿勢と比較し,大転子および膝関節の鉛直方向変位が高い位置にあった.15分程度の完全休息を挿み再度SSに着替えて行った10分間泳中の姿勢は,最初のSS時の姿勢よりも直前のHS時の姿勢に近い傾向がみられた.HSを着用して行ったW-upの100m泳のパフォーマンスへの影響はみられなかったが,前半のタイムが短縮する傾向がみられた.これらの結果よりHS着用の姿勢保持に対する持続効果が確認さたとともに,100m泳よりも短い距離に対するHS着用W-upの効果が示唆された.
「デサントスポーツ科学」第33巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 富川理充*1,椿本昇三*2,仙石泰雄*2,市川浩*3 |
---|---|
大学・機関名 | *1 専修大学,*2 筑波大学,*3 福岡大学 |
キーワード