信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 剣道着における素材とデザインが衣服内気候と皮膚摩擦, パフォーマンスに及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.33 Vol.33

 要旨

 剣道着の快適性と機能性に関する体系的研究を目指し,剣道着の現状把握と問題点抽出を行った.大学体育会剣道部員を対象とした着用実態調査では,剣道着の素材として従来からの綿素材を選択する者が多く,着用不快感としては むれと 擦れ が挙げられた.従来素材(藍染の綿)と新素材(吸汗速乾をうたったポリエステル)を,物性試験・着用実験・皮膚摩擦実験により比較した結果,新素材は,稽古時の衣服内温度を低く保ち,稽古後の体温・皮膚温上昇度も小さく,着用者への温熱生理的負担の小さいことが明らかとなった.摩擦による皮膚へのダメージは従来素材で大きかった.剣道着の袖の長さに関する調査と動作性実験から,剣道着のサイズ・寸法の規格化へ向けた検討の必要性が示された.本研究の成果が剣道における衣環境の質向上へ寄与することを期待する.

「デサントスポーツ科学」第33巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 佐藤真理子,有泉知英子,須田理恵
大学・機関名 文化学園大学

キーワード

剣道着快適性機能性温熱生理的負担