信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 血流制限を併用した筋力トレーニング 性差を考慮した至適プロトコールの確立

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.33 Vol.33

 要旨

 骨格筋量および筋力が,生命予後や疾患予後に影響を与えることが疫学的に証明され,それらを向上させるレジスタンス運動の重要性が注目されている.しかしながら,通常のレジスタンス運動には,高強度負荷が必要なため,高齢者,有疾病者および女性においては,運動器損傷や心血管系への過負荷を来す危険性から臨床的に困難なことが多い.一方,近年の研究において血流制限の併用により,低強度負荷を用いたレジスタンス運動においても,高強度負荷を用いた場合に匹敵する効果が得られることが報告された.本研究では,運動中の筋内代謝的ストレスの測定により,この新しいトレーニング方法の女性における有効性を検討した.その結果,従来の高強度負荷を用いたレジスタンス運動では,女性の筋負荷がやや軽い傾向があるのに対し,血流制限ではその差は小さい傾向があり,血流制限の併用は,女性においてより有用である可能性が示唆された.しかしながら,男女ともに推奨されている方法では筋への負荷は,高強度と同等には達していなかった.方法の最適化については,男女とも血流制限圧を上昇させるより,負荷量を増加することで,高強度負荷に匹敵する筋内代謝的ストレスが得られることが示された.

「デサントスポーツ科学」第33巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 沖田孝一*1,吉田真*1,森田憲輝*2,横田卓*3,堀内雅弘*4
大学・機関名 *1 北翔大学,*2 北海道教育大学,*3 北海道大学

キーワード

レジスタンス運動血流制限代謝的ストレス