信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 健常ヒトボランティアにおける炭酸ガス経皮吸収による脂肪量,筋肉量の変化

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.35 Vol.35

 要旨

 今まで我々は,新開発の高濃度炭酸ガス経皮吸収デバイスが体内で人工ボーア効果を引き起こし,筋力増強,ミトコンドリア量の増加,血管新生作用等を報告している.今回我々は非運動下における炭酸ガス経皮吸収の筋肉量,脂肪量への影響について検討した.対象は文書で同意が得られた健常成人25名.右下肢に10分間の炭酸ガス経皮吸収を週1回施行群と週5回施行群に分け,3か月間施行した.施行前と1か月毎,3か月まで筋力とMRIにて両大腿部の筋肉量,脂肪量を測定し,その左右差と経時的変化を計測した.その結果大腿四頭筋力は週1回群で有意に増加し,ハムストリングス筋力は週5回群で有意に増加した.筋肉量は週1回群,週5回群ともに増加したが,脂肪量は週1回群のみ有意に低下し,週5回群では有意差を認めなかった.炭酸ガス経皮吸収は週1回の施行で,非運動下において筋肉量を増加させ,脂肪量を減少させる効果があることが判明した.

「デサントスポーツ科学」第35巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 酒井良忠
大学・機関名 神戸大学大学院

キーワード

炭酸ガス経皮吸収人工ボーア効果筋肉量脂肪量大腿四頭筋ハムストリングス筋力