信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 疲労困憊に至る低強度レジスタンス運動が muscle swelling へ及ぼす影響:血流制限と非血流制限の比較

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.35 Vol.35

 要旨

 疲労困憊に至る低強度レジスタンス運動がmuscle swellingへ及ぼす影響について,血流制限(BFR)と非血流制限(NBFR)で比較した.健康な男性8名の両腕を無作為にBFR側とNBFR側に分け,低強度のアームカール運動(20%1RM,4セット)を疲労困憊まで実施した.血流制限には空圧式ベルトを用い,上腕基部に160mmHgの圧を加えた.運動前後と各セット間の休息中は筋厚を測定し,運動中は上腕二頭筋の筋活動量を測定した.筋活動量は2条件ともに1セット中から漸増し,BFRでは1セット目に運動前の3.52倍,NBFRでは4セット目に3.70倍に達した.筋厚は2条件ともに1セット終了時点から上昇し,BFRではPostで運動前の1.23倍,NBFRでは3セット終了時点で1.19倍に達した.いずれの項目とも条件間で違いは認められなかった.両条件とも,筋の大きな代謝変化によって各セット間の休息中および運動後はmuscle swellingが顕著に増加し,それらの大きさには条件間で違いがないと判明した.そのため,通常血流の低強度レジスタンス・トレーニングを疲労困憊まで実施すると,加圧トレーニングと同様の筋肥大を引き起こす可能性があると推察された.

「デサントスポーツ科学」第35巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 安田智洋,福田平,福村和也,内田祐介
大学・機関名 東京大学

キーワード

疲労困憊低強度レジスタンス運動上腕二頭筋筋活動量筋肥大