信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 心拍変動モニタリングによる一流スポーツ競技者の疲労評価に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.35 Vol.35

 要旨

 バドミントン日本代表選手を対象に,強化合宿中のトレーニング負荷の推移を定量的に評価し,心拍変動から算出される自律神経活動指標,内分泌指標,免疫指標及び主観的コンディション指標の推移との関係性について検証した.直後に行われる国際大会へのコンディショニングを目的とした8日間の合宿の中で,トレーニング負荷は前半(Day1‐4)と比べて後半(Day5‐8)に有意に低下した.それと対応して,起床時心拍数は合宿後半に有意に低下し,心拍変動から算出される副交感神経活動指標HFは有意に増加した.また,唾液コルチゾール濃度についても,合宿後半で有意な低下がみられた.一方で,合宿を通じた一日ごとのデータ間の関係性でみたとき,トレーニング負荷と有意な相関を示したのは翌朝起床時のHFのみであった.これらの結果から,一流スポーツ競技者において,トレーニングによってもたらされる身体的な疲労を評価するうえで心拍変動モニタリングが有用であることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第35巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 飯塚太郎*1,大岩奈青*2,舛田圭太*3
大学・機関名 *1 日本スポーツ振興センター,*2 国立スポーツ科学センター,*3 日本バドミントン協会

キーワード

トレーニング負荷心拍変動自律神経活動指標内分泌指標免疫指標副交感神経活動指標唾液コルチゾール