骨格筋への外的圧迫およびその強度が発揮筋力に及ぼす影響とその機序の解明
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.35 Vol.35】
要旨
本研究では,膝関節伸展筋群を対象として,筋への外的圧迫およびその強度が筋の力発揮能力に及ぼす影響を検討することを第一の目的とした.また,外的圧迫によって力発揮能力の向上が認められた場合には,力発揮能力の向上と筋振動の程度との関連について検討することを第二の目的とした.実験1では,大腿中央部にカフを巻き,10, 20, 30mmHgでの圧迫条件および圧迫無しの計4条件において,等尺性膝関節伸展トルクを測定した.膝関節伸展トルクは,大腿神経を経皮的に電気刺激することによりdoublet収縮を誘発し,そのピーク値とした.その結果,doubletトルクは,圧迫無し条件に対して20mmHg条件のみで有意に増大した.実験2では,実験1と同様の設定において,筋収縮時の筋振動を三軸加速度計を用いて測定した.その結果,doublet収縮中の筋振動は圧迫により小さくなったが,圧迫強度による違いはみられなかった.これらの結果は,膝関節伸展筋群の発揮筋力は大腿部圧迫の影響を受け,発揮筋力を増大させるための至適圧が存在するが,圧迫による筋振動の抑制が必ずしも筋力の向上に繋がるわけではないことを示唆している.
「デサントスポーツ科学」第35巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
本研究では,膝関節伸展筋群を対象として,筋への外的圧迫およびその強度が筋の力発揮能力に及ぼす影響を検討することを第一の目的とした.また,外的圧迫によって力発揮能力の向上が認められた場合には,力発揮能力の向上と筋振動の程度との関連について検討することを第二の目的とした.実験1では,大腿中央部にカフを巻き,10, 20, 30mmHgでの圧迫条件および圧迫無しの計4条件において,等尺性膝関節伸展トルクを測定した.膝関節伸展トルクは,大腿神経を経皮的に電気刺激することによりdoublet収縮を誘発し,そのピーク値とした.その結果,doubletトルクは,圧迫無し条件に対して20mmHg条件のみで有意に増大した.実験2では,実験1と同様の設定において,筋収縮時の筋振動を三軸加速度計を用いて測定した.その結果,doublet収縮中の筋振動は圧迫により小さくなったが,圧迫強度による違いはみられなかった.これらの結果は,膝関節伸展筋群の発揮筋力は大腿部圧迫の影響を受け,発揮筋力を増大させるための至適圧が存在するが,圧迫による筋振動の抑制が必ずしも筋力の向上に繋がるわけではないことを示唆している.
「デサントスポーツ科学」第35巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 宮本直和*1,川上泰雄*2 |
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大学・機関名 | *1 鹿屋体育大学,*2 早稲田大学 |
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