走運動時におけるハムストリングスの 活動特性の部位差 -肉離れ発症メカニズム解明への新たなアプローチ-
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.36 Vol.36】
要旨
肉離れ発症メカニズムの解明を目的に運動時におけるハムストリングス筋群の活動特性が評価されてきた.本研究では1つの筋内における活動特性の部位差に着目し,当該筋群を構成する筋の1つである大腿二頭筋を対象として,機能的役割および運動時の活動パターンの部位差を検証した.大腿二頭筋の長軸方向に20個の表面筋電図電極を貼付し,筋全体の神経筋活動を記録した.まず,男子大学生10名を対象として,大腿二頭筋が貢献する2つの関節運動を最大随意収縮で別々に行わせた際の表面筋電図振幅値の比率を算出し,部位間で比較した.その結果,部位の違いによる筋電図振幅値の比率の差はなかった.また,男子学生8名を対象として,スプリント運動中の筋電図パターンを部位間で比較したが,有意な差は認められなかった.これらの結果から大腿二頭筋は筋全体が類似した機能的役割を有し,スプリント運動中にも筋全体が均一に活動していることが明らかとなった.
「デサントスポーツ科学」第36巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
肉離れ発症メカニズムの解明を目的に運動時におけるハムストリングス筋群の活動特性が評価されてきた.本研究では1つの筋内における活動特性の部位差に着目し,当該筋群を構成する筋の1つである大腿二頭筋を対象として,機能的役割および運動時の活動パターンの部位差を検証した.大腿二頭筋の長軸方向に20個の表面筋電図電極を貼付し,筋全体の神経筋活動を記録した.まず,男子大学生10名を対象として,大腿二頭筋が貢献する2つの関節運動を最大随意収縮で別々に行わせた際の表面筋電図振幅値の比率を算出し,部位間で比較した.その結果,部位の違いによる筋電図振幅値の比率の差はなかった.また,男子学生8名を対象として,スプリント運動中の筋電図パターンを部位間で比較したが,有意な差は認められなかった.これらの結果から大腿二頭筋は筋全体が類似した機能的役割を有し,スプリント運動中にも筋全体が均一に活動していることが明らかとなった.
「デサントスポーツ科学」第36巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 渡邊航平 |
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大学・機関名 | 中京大学 |
キーワード