最大無酸素性作業能力の向上に関連する 分子メカニズムの解明 -骨格筋発現タンパクの網羅的解析-
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.36 Vol.36】
要旨
【目的】本研究の目的は,高強度・短時間・間欠的運動トレーニングを実施した前後で骨格筋中の遺伝子発現を網羅的に比較解析することにより,最大無酸素性エネルギー供給能の向上に関与する分子メカニズムを明らかにすることである.【方法】健常な若年男性11名(23±3歳)を対象とし,6週間の高強度・短時間・間欠的運動(最大酸素摂取量の170%程度の強度で20秒間の自転車エルゴメータ運動を10秒の休息を挟んで6〜7回繰り返す運動)トレーニングを実施した.介入前後に最大酸素摂取量,最大酸素借の測定および安静時の筋生検を実施し,マイクロアレイ法を用いて骨格筋中の遺伝子発現を網羅的に解析した.【結果】トレーニング介入後に最大酸素摂取量は9.2%,最大酸素借は20.9%有意に増加した(P<0.05).トレーニング介入の前後の遺伝子発現レベルを比較すると,168個の遺伝子の発現が1.2倍以上有意に増加し,116個の遺伝子の発現が0.8倍以下に有意に減少した(P<0.05).Pathway解析の結果,有意に発現が増加しているシグナル伝達経路は30種(Z-score>0,P<0.01),有意に発現が低下しているシグナル伝達経路は21種(Z-score>0,P<0.01)であった.【結論】本研究は,高強度・短時間・間欠的運動トレーニングにより発現が変化し,最大無酸素性エネルギー供給能の向上に関与している可能性がある遺伝子を網羅的に明らかにした.これらの遺伝子が最大酸素借の向上に貢献するのかを明らかにするため,今後の検討が必要である.
「デサントスポーツ科学」第36巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
【目的】本研究の目的は,高強度・短時間・間欠的運動トレーニングを実施した前後で骨格筋中の遺伝子発現を網羅的に比較解析することにより,最大無酸素性エネルギー供給能の向上に関与する分子メカニズムを明らかにすることである.【方法】健常な若年男性11名(23±3歳)を対象とし,6週間の高強度・短時間・間欠的運動(最大酸素摂取量の170%程度の強度で20秒間の自転車エルゴメータ運動を10秒の休息を挟んで6〜7回繰り返す運動)トレーニングを実施した.介入前後に最大酸素摂取量,最大酸素借の測定および安静時の筋生検を実施し,マイクロアレイ法を用いて骨格筋中の遺伝子発現を網羅的に解析した.【結果】トレーニング介入後に最大酸素摂取量は9.2%,最大酸素借は20.9%有意に増加した(P<0.05).トレーニング介入の前後の遺伝子発現レベルを比較すると,168個の遺伝子の発現が1.2倍以上有意に増加し,116個の遺伝子の発現が0.8倍以下に有意に減少した(P<0.05).Pathway解析の結果,有意に発現が増加しているシグナル伝達経路は30種(Z-score>0,P<0.01),有意に発現が低下しているシグナル伝達経路は21種(Z-score>0,P<0.01)であった.【結論】本研究は,高強度・短時間・間欠的運動トレーニングにより発現が変化し,最大無酸素性エネルギー供給能の向上に関与している可能性がある遺伝子を網羅的に明らかにした.これらの遺伝子が最大酸素借の向上に貢献するのかを明らかにするため,今後の検討が必要である.
「デサントスポーツ科学」第36巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 宮本恵里,家光素行,佐藤幸治,浜岡隆文,早野俊哉 |
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大学・機関名 | 立命館大学 |
キーワード