信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 筋損傷を伴わない伸張性筋力トレーニング方法の確立

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.36 Vol.36

 要旨

 本研究では,下り坂歩行(DW)トレーニングにおいて,1)運動時間を徐々に増加させることにより筋損傷を抑制できるか,および 2)筋損傷を抑制または経験することがトレーニング後における筋力増加の度合いに影響を与えるかを検証した.健常な若齢男性を対象に,運動時間漸増プロトコル(1〜4 回目にかけて運動時間を 10,30,50,70 分と徐々に増加:漸増群;n = 10)または運動時間一定プロトコル(4 回全てにおいて40分:一定群;n = 12)によるDWトレーニングを,週1 回の頻度で 4 週間実施した.総運動時間は両群とも 160 分とした.一定群では 1 回目のトレーニング後に筋損傷指標が著しく変化した.それに対し,漸増群では,トレーニング期間を通して筋損傷指標に顕著な変化は観察されなかった.トレーニング後,両群において膝伸展筋群の最大筋力は増加し,その程度に群間差はなかった.本研究の結果から,漸増プロトコルを採用することにより筋損傷は抑制できること,および筋損傷を経験するか否かは,トレーニング後における筋力増加の度合いを決定する主な要因ではないことが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第36巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 前大純朗,山本正嘉,金久博昭
大学・機関名 鹿屋体育大学

キーワード

下り坂歩行筋損傷漸増群膝伸展筋力