信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 脂質による消化管ホルモン分泌作用を活用した 新たな筋グリコーゲン回復法の開発

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.36 Vol.36

 要旨

 本研究では,新たな運動後の筋グリコーゲン回復法の開発を目的として,糖質と脂質の同時摂取がC57BL/6Jマウスにおけるインスリン分泌および筋グリコーゲン濃度に及ぼす影響について検討した.実験1では,安静状態のマウスに対し,糖質(2mg/gBW,CHO群)もしくは糖・脂質混合物(それぞれ2mg/g BW,CHO-FAT群)を経口投与し,血漿インスリン,グルコースおよび消化管ホルモンGlucose-dependent insulinotropic polypeptide(GIP)の濃度変化を検討した.その結果,CHO群に比べて,CHO-FAT群では血漿インスリン濃度が有意に高い値を示し(p<0.05),一方,血漿グルコース濃度は有意に低い値を示した(p<0.05).また,インスリン分泌促進効果をもつGIPの濃度は,CHO群に比べてCHO-FAT群において有意に高い値を示し(p<0.001),さらに,血漿GIP濃度とインスリン濃度との間には高い正の相関関係が認められた.(p<0.001).実験2では,30分間の一過性の水泳運動を行ったマウスに対し,実験1と同様に糖質もしくは糖・脂質混合物を投与し,筋グリコーゲン回復への影響を検討した.投与1時間後における後肢骨格筋のグリコーゲン濃度は,CHO群に比べてCHOFAT群において有意に高い値を示した(p<0.05).以上の結果から,糖質と脂質の同時摂取は,消化管ホルモンGIPを介してインスリン分泌を促進し,運動後の筋グリコーゲン回復を高める可能性が示唆された.

「デサントスポーツ科学」第36巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 寺田新
大学・機関名 東京大学

キーワード

筋グリコーゲンインスリン糖質脂質消化管ホルモンGlucose-dependent insulinotropic polypeptide