歩行型腰部柔らかダミーを用いた衣服圧測定方法の確立
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.36 Vol.36】
要旨
製品開発や品質管理における衣服圧評価は,静止状態の硬質ダミーを用いる方法が主流である.しかし人が衣服を着用する際,様々な動的な影響を受けており,実際の着用を想定した場合に十分な評価ができているとは言えない.そこで,本研究では私たちがこれまでに開発した,人体の柔らかさ分布に相似した歩行型腰部柔らかダミーを用い,新しい衣服圧測定の可能性を検討した.
試料は,ロングガードル2種類,衣服圧測定はエアパック方式を用いることにより,腰部および脚部の11箇所を測定した.静的な測定では,立位静止時及び開脚静止時における検討を,動的な測定では,歩幅,速度を変化させ検討を行った.
静的な測定では歩行型腰部柔らかダミーと硬質ダミーとの比較で,部位により測定値のレベルは異なるが,試料間の測定値の傾向は近似していた.前後開脚静止時では,立位静止時と比較して鼠蹊部や臀溝部などの部位において,測定値に差がみられた.また,動的な測定の結果,歩幅が大きくなるにしたがって,衣服圧の振幅が大きくなった.しかし速度が速くなっても動的な変化にともなう一定の衣服圧がかかるため変動が抑えられ小さな変動となった.このように動作時には時系列変化があるため,静止時と異なる考え方をする必要があることが示唆された.
「デサントスポーツ科学」第36巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
製品開発や品質管理における衣服圧評価は,静止状態の硬質ダミーを用いる方法が主流である.しかし人が衣服を着用する際,様々な動的な影響を受けており,実際の着用を想定した場合に十分な評価ができているとは言えない.そこで,本研究では私たちがこれまでに開発した,人体の柔らかさ分布に相似した歩行型腰部柔らかダミーを用い,新しい衣服圧測定の可能性を検討した.
試料は,ロングガードル2種類,衣服圧測定はエアパック方式を用いることにより,腰部および脚部の11箇所を測定した.静的な測定では,立位静止時及び開脚静止時における検討を,動的な測定では,歩幅,速度を変化させ検討を行った.
静的な測定では歩行型腰部柔らかダミーと硬質ダミーとの比較で,部位により測定値のレベルは異なるが,試料間の測定値の傾向は近似していた.前後開脚静止時では,立位静止時と比較して鼠蹊部や臀溝部などの部位において,測定値に差がみられた.また,動的な測定の結果,歩幅が大きくなるにしたがって,衣服圧の振幅が大きくなった.しかし速度が速くなっても動的な変化にともなう一定の衣服圧がかかるため変動が抑えられ小さな変動となった.このように動作時には時系列変化があるため,静止時と異なる考え方をする必要があることが示唆された.
「デサントスポーツ科学」第36巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 菅谷紘子,岩崎謙次 |
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大学・機関名 | 東京都立産業技術研究センター |
キーワード