信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

マイクロ・ナノ技術を活用した機能繊維の開発-ナノファイバーの機能化(第3報)-

【大分類:2. 繊維製造 中分類:2.1 特殊繊維 小分類:2.1.1 ナノファイバー

エレクトロスピニング(ES)は、比較的簡単にナノファイバーを作製することができ、ナノファイバーに様々な応用可能性が考えられることから、近年、研究が盛んになってきている。ナノファイバーの最大の利点は、表面積が非常に大きくなることであり、本研究では、ESによって機能性分子であるシクロデキストリン(CD)を付加したナノファイバーを作製し、高い比表面積を利用して、その機能をより高度に発揮させることを目指すこととした。CDは環状オリゴ糖で、底のないバケツのような形状をしている。空洞内に様々な疎水性物質を包接し、悪臭の除去、香料その他機能性分子の除放、安定化などに利用されている。1年度目の研究において、CDを含有したPVAナノファイバーを作製し、消臭効果を確認したが、ファイバーが水溶性であり実用的な用途展開に制約があった。そこで、2年度目は、PVAファイバーへの耐水性付与を検討し、架橋剤を混合してファイバー作成後に加熱し架橋を行う方法で、不溶化が可能であることが分かった。3年度目は、これまでの結果を踏まえ、CDを含有させた状態でのファイバー不溶化及び機能性を検討した。

繊維研究機関技術シーズ調査(2013年度)/日本化学繊維協会
研究者名 中島孝康、原田敏明
大学・機関名 岐阜県産業技術センター

キーワード

エレクトロスピニング(電界紡糸)ナノファイバー(ナノ繊維) シクロデキストリン