片麻痺のパラアスリートにおけるランニングフォームの特徴
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.46 Vol.46】
要旨
本研究の目的は,片麻痺のパラアスリート1名(陸上競技,立位・脳原性麻痺) を対象としたランニングフォームの特徴に関する事例を提示して,パラアスリートや指導者の一助となるような情報を提供することであった.対象者は,トレッドミルを用いた多段階漸増負荷ランニングテストを行い,酸素摂取量,呼吸交換比,換気量,心拍数,血中乳酸濃度を測定し,血中乳酸濃度が2mmol/L(LT)および4mmol/L(OBLA) 相当の走速度を求めた.対象者は求めた速度でランニングを行い,足圧測定および3次元動作分析を行った.その結果,足圧や足圧中心の軌跡に左右差が認められ,麻痺側では2峰性の足圧曲線となった.また,3次元動作分析により,腕を振る際の体幹部の回旋には左右差が認められた.本研究の結果より,片麻痺パラアスリートにおけるランニング動作は,麻痺側の影響を修正・抑制することによって,アシンメトリーな動作や回旋に対して,高いレベルで運動を調節している可能性が示唆された.
「デサントスポーツ科学」 第46巻/公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団
本研究の目的は,片麻痺のパラアスリート1名(陸上競技,立位・脳原性麻痺) を対象としたランニングフォームの特徴に関する事例を提示して,パラアスリートや指導者の一助となるような情報を提供することであった.対象者は,トレッドミルを用いた多段階漸増負荷ランニングテストを行い,酸素摂取量,呼吸交換比,換気量,心拍数,血中乳酸濃度を測定し,血中乳酸濃度が2mmol/L(LT)および4mmol/L(OBLA) 相当の走速度を求めた.対象者は求めた速度でランニングを行い,足圧測定および3次元動作分析を行った.その結果,足圧や足圧中心の軌跡に左右差が認められ,麻痺側では2峰性の足圧曲線となった.また,3次元動作分析により,腕を振る際の体幹部の回旋には左右差が認められた.本研究の結果より,片麻痺パラアスリートにおけるランニング動作は,麻痺側の影響を修正・抑制することによって,アシンメトリーな動作や回旋に対して,高いレベルで運動を調節している可能性が示唆された.
「デサントスポーツ科学」 第46巻/公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 佐賀典生, 佐保泰明 |
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大学・機関名 | 帝京大学 |
キーワード