信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF ケトン体の経口摂取は運動誘発性の鉄欠乏に対して有効か? ―ヘプシジン分泌応答に着目して―

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.46 Vol.46

 要旨

 【目的】活動的な若年女性を対象に,持久性運動後におけるケトン体(βHB) の経口摂取がエリスロポエチン(EPO) およびヘプシジンの分泌応答に及ぼす影響を検討した.【方法】活動的な若年女性8名(20±1歳) を対象に,高強度インターバル運動後に25.5gのβHB (8.5g/1時間, 3回)を摂取する(βHB) 条件とプラセボを摂取する(CON) 条件の2条件を実施した.運動前,直後,30 分後,60 分後,120 分後および180 分後に採血を行った.【結果】βHB条件における血清βHB濃度は運動30分後から180分後まで有意に上昇し,いずれの時点もCON条件と比較して有意に高値を示した.βHB条件における血中グルコース濃度は,CON条件と比較して有意に低値を示した.血清ヘプシジン濃度には,有意な変化は認められなかった.運動180分後における血清EPO濃度の変化量には,条件間での有意差が認められた.【結論】若年女性におけるβHBの経口摂取はEPO濃度を変化させたが,ヘプシジンの分泌応答に影響を及ぼさなかった.

 「デサントスポーツ科学」 第46巻/公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 林 七虹
大学・機関名 大阪公立大学

キーワード

鉄代謝外因性ケトン体ケトーシス持久性運動女性