信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 妊娠中に競技復帰目的のトレーニングを行った選手の体組成変化の記録

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.45 Vol.45

 要旨

 目的:日常の体調管理に体重が用いられるが,アスリートの場合,骨格筋量と相関する体水分量が日常的に測定できることが望ましい.今回,産後の競技復帰を目指して妊娠中にトレーニングを継続したパラアスリートの妊娠中の体組成変化を記録した.
 方法:前腕にて簡便に測定できるように開発した体水分量計を用いて体水分量を日常的に測定して,1 か月に1 回外来受診時に測定した体組成値と比較を行った.
 結果:体水分量は妊娠20 週まで増加を示し,その後,いったん低下して,妊娠28 週から分娩前まで増加した.体水分量計での測定値は20 週以降ほぼ一定の値を示し,上肢の体組成と同様の変化を示した.
 考察:妊娠前半は体脂肪量と細胞内水分量の増加が見られた.妊娠後半はトレーニングを継続して行ったことで体重はほぼ一定であった.体脂肪量は減少し,細胞外水分量の増加が主で,羊水の増加を含むと考えられ,体幹の水分量の増加であった.

 「デサントスポーツ科学」 第45巻/公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 松田貴雄, 清永康平, 宮崎奈美
大学・機関名 国立病院機構西別府病院

キーワード

体水分量体組成生体インピーダンス法?妊娠性変化パラアスリート